プリント配線板、電子部品実装の表面処理加工をはじめとした、開発・設計・製造から不良解析・信頼性試験、現場改善、コンサルタントにいたるまでの電子部品に関するトータルソリューションを提供しております。不良解析など各種試験・分析に関するご質問・ご要望は、こちらのお問い合わせよりお気軽にご相談ください。
再現実験について
無電解Ni-Auめっき表面におけるBGA密着性異常により、はんだと基板間にて剥離不良が発生し、部品落下不具合(不良)が発生した。表面分析や断面分析において考えられる要因を抽出し不良発生原因として絞り込むために、めっき加工条件を設定して再現実験を実施した。このような再現実験を行うことにより、実際に発生しためっき不良などのトラブルを特定することが可能となり、工程改善を行うことができた。
平滑剤種による引張物性評価
現行添加剤配合の改善点
- めっき皮膜物性が不十分(引張伸びが不足)
- ピットが見られる
- 平滑剤種の検討
- 界面活性剤種の検討
平滑剤種の検討
- ハーリングセル(浴量3L) 含リン銅陽極
- 電流密度 2A/dm2、90min
- 室温(約25℃)、Airバブリング
ベース評価浴条件 | ||
---|---|---|
CuSO4・SH2O(FW 249.685) | 100 g/l | |
H2SO4(97%比重1.84 FW 98.08) | 190 g/l | |
Cl(HCI) | 40 mg/l | |
添加剤 | PEG(4000) | 800 mg/l |
SPS | 2 mg/l | |
平滑剤 | JGB | 2 mg/l |
(皮膜物性サンプルでは、JGB 1.5ppm)
JGB 2ppm
JGB 2ppm
アミド硫酸 10ppmJGB 2ppm
アセトアミド 200ppmKB-12 300ppm
評価サンプル | 弾性率 (GPa) |
最大点応力 (MPa) |
破断点歪み (%) |
最大点応力 (kgf/mm2) |
---|---|---|---|---|
JGB | 19.4 | 342 | 16.2 | 34.9 |
JGB -アミド硫酸 |
20.4 | 343 | 16.2 | 35 |
JGB -アセトアミド |
20.3 | 326 | 13.2 | 33.3 |
KB-12 | 18~20 | 327 | 9.8~18.5 | 33.3 |
平滑剤種とめっき皮膜伸び物性
不具合現象:無電解NiAuランドでのはんだぬれ性不良
予想された不良原因:ランド表面処理の違い
不良再現実験:銅張りガラエポ板に各種表面処理を施しはんだ広がり性調査。
結果:NiAuの処理方法により、はんだ広がり性が異なることを確認。同時にその外処理方法を調査したことでHASL(ホットエアーソルダーレベラ-)でのはんだ広がり性が極端に良いことを見出した。
はんだぬれ不良
OK
NG
表面処理とはんだの広がり性
不具合現象:はんだ溶融性不良
予想された不良原因:リフロー条件の不適(不良)
不良再現実験:リフロー時のプリヒート時間変更し、はんだ溶融性確認。
結果:プリヒート時間の短縮により溶融性改善できるが、BGAでのボイド増加。
ボイドも割合少なくはんだ溶融性が良好なプリヒート時間3minを提案。
プリヒート5min
プリヒート3min
プリヒート1min
リフロー温度プロファイル
プリヒート時間とBGAでのボイド
プリヒート1min
プリヒート5min