故障解析事例(アバランシェ破壊の再現実験)
再現実験サンプル
サンプルとして最新のRC-IGBT(Reverse-Conducting IGBT)を用いました。
ゲート構造はトレンチ型で、コレクタ層にn+層を加えることで逆方向ダイオードを内蔵した設計となっています。
アバランシェ破壊の再現実験
パワーデバイスのスイッチング時には誘導負荷の高電圧によって、高エネルギーを得たキャリアがアバランシェ現象を引き起こし、熱的破壊に至る場合があります。
今回はアバランシェ破壊の実験環境を社内で構築し、再現実験を行いました。
非破壊解析(X線観察と超音波探傷)
試験前後を比較したところ、赤丸で示した箇所に変化が確認されました。
電気的特性の結果と併せて、この時点で破壊規模が比較的大きいことが分かりましたので、薬液開封により確認することにしました。
詳細解析(断面研磨、FE-SEM、EDS)
ボンディングワイヤの間に形成されたクレーターに注目し、断面観察と元素マッピングを行いました。
その結果、内部に空洞が形成され、Al電極、はんだを溶かした様子が確認できました。