試料を樹脂に埋めず水を使用しないことで、水分に弱い試料でも断面作製できます。
概要
断面試料作製において、機械研磨は広範囲を観察・分析する有効な手法です。
しかしながら、樹脂に埋めて、水を使用しながらの研磨になります。水分を嫌う試料は、断面作製が困難でした。
断面イオンミリング装置を用いることで、樹脂に埋めず、水を使用しない断面試料の作製が可能です。
特徴
厚みのある試料はハサミなどで切断し、断面ミリングで仕上げ加工を行うことで、歪みのない断面構造を観察・分析が可能です。
厚みのない試料は、銅板に挟むことで強度を保ち、乾式研磨で粗研磨を行い、断面ミリングで仕上げ加工を行うことで、歪みがなく断面構造を観察・分析が可能となります。
熱に弱い試料は、冷却断面ミリングを用いることで、断面試料作製が可能です。
設備紹介①
メーカ:日本電子
型番:SM-09020CP 所有台数:3台
型番:IB-09020CP 所有台数:2台
型番:IB-19510CP 所有台数:2台
型番:IB-19530CP 所有台数:2台
・イオン加速電圧:3~6kV
・イオンビーム径:1mm(加速電圧:6kV,試料:Si)
・ミリングスピード:100μm/h(加速電圧:6kV,試料:Siエッジ距離:100μm)
・ミリング範囲:1mm
・最大搭載試料サイズ:W9×D10×H2mm
・使用ガス:アルゴンガス
・その他:耐熱温度が100℃以下のサンプルは加工不可。
設備紹介②
メーカ:日本電子
型番:IB-19520CCP(冷却CP) 所有台数:2台
・ミリングスピード:500μm/h
※2時間の平均値。加速電圧:8 kV、Si換算、エッジ距離100μm)
・試料ホルダー冷却到達温度:-120℃以下
・試料冷却:-100℃到達時間:60分以内
・イオン光学系
イオン加速電圧:2~8 kV
イオンビーム径:500μm(半値幅)
間欠機能(詳細設定有り)
事例紹介
機械研磨では難しい試料でも、断面ミリングによって構造を保持したまま断面を露出できます。
下の事例は、コピー用紙を2枚の銅板の間に挟み込んで加工しました。
(作製実績)
・多孔質フィルム
・ペーパー
・樹脂系エラストマー
豊富な経験と知見を有するクオルテックの技術者が、お客さまの開発をサポートいたします。
設備機器紹介
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日本電子 IB-09020CP
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日本電子 IB-19510CP
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日本電子 IB-19520CCP(冷却CP)
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日本電子 IB-19530CP
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日本電子 SM-09020CP