DSC:示差走査熱量計
概要
熱分析は樹脂や金属材料などに熱を加えた際に生じる物理量の変化を観測する手法で、融解、分解、ガラス転移、膨張・収縮等の評価が可能です。物性を評価する事で、材料分析、不具合改善等に役立てる事ができます。
DSCの原理
DSC(Differential Scanning Calorimeter)は試料とリファレンス(分析温度範囲で変化のない試料)の温度を測定し、その温度差から熱量を測定する手法です。
評価内容
融解、ガラス転移、結晶化等
設備紹介
示差走査熱量計
DSC-60A Plus 島津製作所製
測定温度範囲:室温~600℃
熱量測定範囲:±150mW
測定例
Inを加熱すると、156℃付近より吸熱ピークが見られ、融解が観測されています。
ポリカーボネートを測定した結果、DSC曲線のベースラインシフトが観測されており、ガラス転移が見られていると考えられます。
ポリエチレンをN2雰囲気で加熱後にAirを導入すると、DSC曲線に発熱による変化が見られました。
これは酸化が観測されていると考えられます。
ある温度における樹脂の酸化耐性を評価する事が可能です。