様々な電圧変動によって電子機器が誤作動などを起こさないか評価する「電源変動試験」
概要
自動車には、利便性(走行性能、快適性など)・環境性能(燃費向上、排ガス対策など)や、安全性(安全装置の搭載など)に対する社会的要求が一段と厳しくなっています。それらの解決策に対するエレクトロニクスの貢献は計り知れず、今後もその重要性は増すばかりです。
エレクトロニクスの普及は自動車産業にとどまらず、あらゆる産業や我々の日常生活に深く浸透し、特に近年の情報通信分野の発展はめざましいものがあります。
しかしながら、エレクトロニクスの普及は一方では、あらゆる電磁波が飛び交う環境をつくりだし、それが通信の混乱や健康への影響が懸念されるなど、新たな障害を生み出す原因にもなってきています。
EVやハイブリット車などは特に、車載用電子機器にも不要な電磁波を出さない、また電磁波の影響を受けない製品づくりが求められています。それらに対するEMC試験の重要性がますます高まってきており、電源電圧が変動しても、機器は正常に動作することが求められています。
印加波形例 (ISO7637-2 試験パルス4)
下記のパルスは、始動に伴うスパイクをのぞき、内燃機関のスターターモータ回路に通電することによって、発生する電源電圧の低減をシミュレートした波形です。(ISO7637-2 試験パルス4より引用)
試験パルスの発生源例 概略図(ISO7637-2 試験パルス4)
ISO7637-2 試験パルス4は、DUTが上記図のように接続されているため、スターターモータに通電することによって、発生する電圧低下です。
下記例のように、始動時やパワーウインドウ動作など、負荷稼働中に電源を変動させ、DUTの誤動作や出力異常などを確認します。
試験機外観
対応規格
ISO規格、各自動車メーカー独自規格