TG-DTA:示差熱・熱重量同時測定装置
概要
熱分析は樹脂や金属材料などに熱を加えた際に生じる物理量の変化を観測する手法で、融解、分解、ガラス転移、膨張・収縮等の評価が可能です。物性を評価する事で、材料分析、不具合改善等に役立てる事ができます。
TG-DTAの原理
DTA(Differential thermal analysis:示差熱分析)とは、試料とリファレンス(分析温度範囲で変化のない試料)間の温度差から、試料に変化が生じる温度の測定を行います。温度差から試料に変化が生じる温度の測定を行います。
同時に熱重量測定(TG:Thermogravimetry)も可能です。
評価内容
融解、重量変化(熱分解、燃焼等)、ガラス転移、複合材料中の樹脂と無機物の比率等
設備紹介
示差熱・熱重量同時測定装置
DTG-60A 島津製作所製
測定温度範囲:室温~1100℃
重量、示差熱測定範囲:±500mg、±1000μV
分解能:0.1μg
測定例
N2雰囲気では熱分解による重量変化が見られ、Air導入後では燃焼による重量変化が見られます。
それぞれ樹脂成分、カーボン材料による減量を示しており、複合材料中の樹脂量、カーボン量に関する情報が得られています。
フィラーを含む樹脂材料の樹脂、フィラーの比率も評価可能です。
糸はんだを加熱すると重量変化が観測されており、これは糸はんだ中のフラックス成分が分解したものと考えられます。吸熱ピークが見られますが、はんだの融解によるピークが主に観測されていると考えられます。