スミアと呼ばれる樹脂残渣を除去する「デスミア処理」を行っています。
概要
プリント基板を多層化する際には、スルーホールまたはブラインドビアを形成し、銅めっきで層間の回路を導通させます。
スルーホール/ブラインドビアの形成にはドリルまたはレーザを使用しますが、形成した穴の側壁部分に(非貫通穴であれば穴の底部にも)スミアと呼ばれる樹脂残渣が付着します。
このスミアは回路の導通を妨げ、めっき銅と銅はくの接続信頼性にも影響を及ぼすため、確実に除去する必要があります。
スミア除去の工程を「デスミア」と呼びます。デスミア処理には化学薬品を用いる手法やプラズマ等の物理的手法によるものがあります。
デスミア処理前
デスミア処理後
ビルドアップ工法で多層板を作製する場合には、層間絶縁樹脂の上にめっきで導体を積み上げ、パターンを形成します。
デスミア処理の際に層間絶縁樹脂の表面が粗化されることで、後に形成するめっき銅はくとの密着性が確保されます(アンカ効果)。
デスミア処理時間の違いによる表面粗さの違い
・デスミア処理の条件を変えることでピール強度(密着)に違いがあることが確認された。
・熱処理により、ピール強度が強くなることが確認された。