EMC(電磁両立性)確保のためのコンサルティング
EMCコンサルティングについて
電子機器は動作時に必ず高周波雑音を発生し、伝導・放射の形で外部に放出します(電磁妨害=EMI)。
また、外来雑音が伝導・放射の形で電子機器内に侵入すると、これがその電子機器の誤動作の原因になり得ます(電磁感受性=EMS)。
これらを総称して電磁両立性(EMC)問題といいます。
我が国では医用電子機器は既にこのEMC性能が法規化されており、自動車に関しても、2011年8月より「EMCに関する国連規定(ECE-R10)」が日本の法規として導入されています(現在は猶予期間中)。
クオルテックでは、車両用から民生用まで電子機器の電磁両立性能を向上するためのコンサルティングを行っております。
お客様の現場で、認証機関で、当社社内の解析現場で、コンサルティングを実施。ECU基板と周辺機器自体、また、実際に車へ搭載した時の問題まで、EMC性能向上のための技術的なご相談を承っております。
●電子機器とそれが組み込まれるシステム全体の調査から製品改良の提案
●電子機器の設計やデザインレビューに参加させて頂き、コンサルティングを実施
●EMC性能向上のための新技術に関する研究、共同開発
例)自動車における対象周波数
雑音放射(EMI):30~1,000MHz
感受性(EMS):20~2,000MHz
高周波雑音 可視化装置について
EMC性能に優れた電子機器を設計するためには、回路基板のパターンを流れる雑音電流の分布が判ると大変便利です。
この雑音電流の分布が判ると、EMIの場合には雑音源となる素子を特定しやすくなり、また、EMSの場合には外来伝導雑音電流がどのような経路で雑音に対して敏感な素子に到達するかを特定しやすくなります。
・電磁界プローブを走査することにより、回路基板上を流れる雑音電流分布を一目で観測することができます。
・レーザー変位センサでプローブを制御するので、装着電子部品によって凸凹状態の表面から常に一定の距離で測定可能です。
・スペクトラムアナライザを併用することにより、問題となる周波数の雑音電流を特定して回路基板上の分布を調べられます。
・150kHz~6GHzの範囲を、0.5mm程度の分解能で識別可能です。
可視化装置の測定例
右図は高周波雑音可視化装置を使用して動作状態の電子回路の基板上のパターンを流れる100MHzの雑音電流の強度分布を観測した事例です。これから次のことがいえるので、対策の手段を講じることができます。
・この雑音の主要な発生源はマイコンの電源端子である。
・雑音除去用コンデンサの装着場所が適当でないために、雑音電流がコネクタ部分よりワイヤハーネス経由で外部に流出している。
したがって、この回路基板から流出する伝導雑音電流を低減させるためには、マイコンの電源端子と雑音除去用コンデンサとの間の配線パターンを極力短くすることや、この間のグラウンドパターンを見直すなどの処置をしなければならないことが分かります。
試験設備&機器
電波暗室を保有している一般的な試験機関は計測するのみですが、クオルテックでは計測に加えて、規格未達品の改良、および設計の初期段階からEMCコンサルティングを行い、お客様の課題を根本的かつ包括的に解決いたします。